ミス首都大高井ひろえの読んだ!観た!感じた!

客観的にも主観的にも頂点に上り詰めるのは、とても難しいことだと思います。
たとえば、俳優。
自分では世界最高の演技力を誇ると言える俳優がいるとします。そこまでの自信を持てるまで自分を信じて特訓を積み重ねてきた心の強さは本当に素晴らしいですよね。しかし、世界中の誰もがその名を知り、そして顔をイメージすることができるという客観的な基準を設けると、一気に難しくなります。監督の目に触れたり、世界的なヒット作に恵まれる必要があります。

画像1: http://www.kotaku.jp/2014/08/birdman-official-international-trailer.html

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この映画の主人公リーガンは、まさに、「機会に恵まれ上り詰めた側」の俳優でした。
彼は、スーパーヒーロー「バードマン」役に抜擢されました。さらには世界的な大ヒット作となり、子供から大人まで、皆が彼とともに「バードマン」を知ることになったのです。

しかし、それよりも難しいこと

しかし、頂点に上り詰めることよりも、難しいことがあります。それは、その立場を維持し続けることです。
とある時代に絶頂期を迎え、大流行したアイドルの歌を10年ぶりくらい耳にしたら、「懐かしいなあ」と思いますよね。そのアイドルが歳を重ねてTVに出演していたら、新鮮な感じはしないのではないでしょうか。
上り詰め、あまりに有名になると、その時代の色をつけられてしまうというリスクがあるのです。

主人公リーガンは、バードマンとして一躍有名になったはいいものの、その時代を象徴する人になってしまったのです。そこでさらなるヒット作に恵まれれば、「古い人」とは言われなかったかもしれません。しかし、バードマンシリーズが終了して以来、彼は、「バードマンの人」であり続けます。さらに一念発起してブロードウェイの舞台に挑もうとする際には、「俳優としては邪道であるヒーローを演じた人」として酷評されるのです。

這い上がる気力もないであろうところからのスタート

彼は、普通の俳優よりもヒットしにくいというハンデを背負いながら、自分が脚色を手掛けた舞台に挑むのです。バードマン以来手柄のないリーガンには、娘からも「古い人」と言われ、舞台がヒットするかどうかを動かすことのできる重要人物からも見放され、自分以外のみんなが、だれも自分を信用していない状態におかれます。
リーガンに「頑張って、うまくいくから。」と声をかけたい気持ちになるものの、観ている私側からしても、絶対に無理だろうと思っていました。終盤まで、これでもかというくらい、リーガンは葛藤を味わうのです。
ですが、最後は驚くべき方法で、拍手喝采を浴びます。

この映画を観ていて、時代を色をつけられることの恐ろしさを知りました。ですが、それよりも、夜明け前が一番暗いのかもしれない。成功する前が一番つらいのかもしれない、と思いました。

リーガンは、バードマン終了以来、長くてそして暗い俳優人生をずっと歩み続け、もう一歩も歩けないような状態でした。「もう歩けない、もう歩けない。みんなもダメと言う。もう諦めたい。」

画像2: http://www.kotaku.jp/2014/08/birdman-official-international-trailer.html

http://www.kotaku.jp/2014/08/birdman-official-international-trailer.html

ですが、本当につらいときの、あと一歩先に、リーガンの求めるものがありました。そして、落ち目にあっても、演じることの意味を問い続け、演じることを心から愛し続けてていたということを、最後の力をふりしぼって証明するのです。

本当に観客の心に届く、最後の一歩を踏みしめることができたのです。

映画 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

画像: ブロードウェイのあるNYにて

ブロードウェイのあるNYにて

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